『Big Fish Theory』Vince Staples

こんにちは、シンです。今日はVince Staplesの『Big Fish Theory』を紹介します。このアルバムを一言で表現すると

エレクトロとVince Staplesのラップスキルの融合

といった感じでしょうか。エレクトロをはじめとする電子音楽系のトラックにVinceのラップが乗って、非常に聞きごたえのある一枚となっております。

まずはリードトラックである『Big Fish』をご覧ください。


文字通り『大きな魚』が飛び跳ねるようなビートの上で、Vinceが縦横無尽にラップを繰り広げるという構成です。Vinceのこびりつくようなライミングと重低音のベースが気持ちいいです。大音量で聞きたい感じですね。

Juicy Jが歌う下記のHookもキャッチーで耳に残ります。 歌詞も成功したラッパーの『イメージ』に対するVinceの皮肉が効いています。

I was up late night ballin’, Countin’ up hundreds by the thousand ― 俺は贅沢三昧で夜中まで起きていて、無数にある100ドル札を数えている。

この曲のほかにも非常にトラックが凝っています、例えば、『Crabs In a Bucket』や 『Love Can Be…』 は普段ラップではあまりに使用しないような、かなりエレクトロ寄りのトラックだったりします。

こういったトラックは、フローの幅が限られてくるのでラップするのが難しいと思いますが、Vinceはそこを逆手にとって非常にオリジナルな表現をしています。

また、客演も豪華かつ人選も的確です。Vinceの楽曲ではおなじみのKilo Kishだったり『Yeah Right』では天下のKendrick Lamerと共演しています。

本当に捨て曲が一切ない、非常に優れたアルバムです。事実、音楽誌では軒並み高評価で、Pitchforkのその年のラップアルバム部門ではKendrick『DAMN.』に続き、このアルバムが2位に輝いています。

このアルバムの中で一番迫力があるのは『BagBak』です。確かな熱量があるのにどこか飄々とした感じを受けるのは、Vinceならではといった感があります。


アメリカの優れたラッパー(個人的にはKendrickと肩を並べるほどの)で、なおかつトラックも非常に細部まで計算されていますので、ラップ好きは必聴のアルバムとなっております。


文句なしにおすすめ!ではではー

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