『直感と論理をつなぐ思考法』

こんにちは、シンです。今日は『直感と論理をつなぐ思考法』を読んだので感想をまとめて行きます。この本を一言にまとめると

ビジネス右脳を使おう!

みなさんは働いていて『ロジカル』に話せ、もっと『わかりやすく』話せとか言われたことありませんか? 僕はあります(笑)。もちろん論理的な『左脳』的思考は、ビジネスでは役に立つ機会が多いので、支配されがちですが、著者はイーロン・マスクなどのイノベーターが社会で大きく活躍していることを引き合いにこう述べています。趣旨をまとめると

データやロジックに基づいて、攻略すべきマーケットを事前に絞り込み、そこに資本投下していく旧来の考え方は機能不全。『直感』や『原動力』を原動力に、それらをうまく使いこなした人・企業が社会にインパクトを与えている!

この視点はまさにその通りです。と同時に、これは日本人が最も苦手とする分野ではないかと強く思います。この本の著者も始めはバリバリの『左脳』の人間でした。P&Gのマーケターとして活躍されたので、データや分析といったエビデンスを非常に重要視してきたそうです。逆説的に言えばここがこの本の最大の魅力ともいえるでしょう。『左脳』寄りの著者がいかに『右脳』を使いこなすか、つまり

左脳と右脳との懸け橋≒直感と論理をつなぐ思考法

をまとめた本となるわけです。『直感・妄想』を使いこなすフレームワークやアイデアがたくさん紹介されています。絵やグラフなども要所に散りばめられていてわかりやすく、考えに詰まった時に読んでみるときっかけや発見があるかもしれません。読んでいく中で印象に残った点は下記の3つです。

『創造的緊張』:『妄想』と『現実』のギャップを認識する。
ムーンショット:『10%』成長ではなく『10倍成長』を

『人は現状と目標とのギャップを明確化し受け入れない限り、ギャップを埋めようとするモチベーションが生まれない』と『途方もない大きな目標は個人の想像力や内発的な動機に訴えかけざるを得なくなって逆にラク』という言葉は非常に身に染みて感じました。大風呂敷といわれるような大きな目標を立ててギャップを認識することは、日本においては特に敬遠されるような考え方ですし、実生活を営む上でも、小さな枠のなかで満足し、目標到達までに何が欠けているかを考えないことは往々にして起こりがちです。警句として心に残りました。

また、大きな目標を立てるビジョン・ドリブン型の思考に世の中が移りつつあることも様々な例を用いて解説されています。組織マネジメントにもこの潮流があり、『ティール組織』なんかがこれに当てはまるとのことです。

ありのままの世界を:センスメイキング理論

ワークショップを受ける前後の著者の絵のデッサンの違いが紹介されていてびっくりしました。『妄想』をアイデアへ洗練するためのひとつの手法としてセンスメイキング理論が紹介されています。

物事をあるがままに『感知』するにもコツがいるのだぁと感じました。ここだけでもうまく使いこなせれば生活や思考に相当な変化が出てくると感じます。本の後半で『マシュマロ・チャレンジ』の例も紹介されていて、『頭ではなく手でやりながら考える』ということもこの『知覚』ということにつながるのかなと感じました。

こう思うとモネの『睡蓮』の絵とかってすごいですよね。まさに物事をあるがままに知覚して写し取っています。

この本は言い換えれば『直感』をビジネスに生かすためのノウハウ本といった趣があります。テクノロジーの進化と共にとても変化の速い時代となっては『妄想』とか『右脳』とか、ともすればアート系の領域といったスキルを使いこなす人間の方が大きなインパクトも与えます。その点では今の時代にぴったりのビジネス書といえるのでないでしょうか。

ではではー

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