『これからの投資の思考法』柴山和久

こんにちは、シンです。今日は柴山和久さんの『これからの投資の思考法』を紹介します。

この本は投資の基本的な思考法を読者へ伝え、これからの時代の資産運用の行く末を解説した本です。

まず冒頭にこんなエピソードがあります。要約すると

2013年のクリスマス。アメリカの妻の実家で過ごしていた私はある数字に目を見張りました。それは妻の両親の金融資産の額でした。
私の頭に浮かんだのは両親でした。妻の両親と比べると同じような年齢と学歴、職歴であるのにもかかわらず、金融資産に10倍もの差があります。

この解として著者があげるのが、ルールに基づいた資産運用であり、以下の3原則を守ることが重要と繰り返し本の中で述べています。それは

『長期・積立・分散』

です。これはこの本の著者だけでなく、さまざまな方が述べているように投資の基本中の基本といっていいのではないでしょうか。かの有名な投資の王様バフェットも「今日、明日、来月に株価が上がろうが下がろうが私にはどうでもいいことです。」
といった言葉を残しています。 ポリシーに基づいて投資を行った バフェットらしい言葉ですが、この本でも 『長期・積立・分散』が、なぜ資産を運用するうえで大切なのかをデータを用いて解説しています。私が印象に残った点は下記の2点です。

長期・積立・分散により25年で資産は2.4倍に

様々なシュミレーションの結果、3原則を守ると経済危機、為替リスクといった不安定な要素もある程度コントロールできるといった内容でした。非常にわかりやすくまとめられているので、なるほどなぁと納得できます。

リーマンショックでは『何もしない』が正解だった。

当時、著者の奥様の実家はプライベートバンカーの下記の助言を信じたそうです。

●過去の金融危機でも株価は大きく下落したが、やがて回復している。
●今回も一時的な下落であるなら、損失も一時的なものに留まる。
●株価が大きく下がっている今売ると、一時的であるはずの損失が確定してしまう。
●手元にお金の余裕があれば、割安で追加投資をする大きなチャンス

その結果、2年後にはリーマンショック前の水準に戻り、9年たつと株価は元の水準の2倍以上になりました。これもやはりルールに基づいた投資の結果ではないか感じます。著者の『人間の脳が感情に左右されやすく、投資に向いていない』という最終的な指摘も腑に落ちます。

この本は投資の初心者でも資産運用を考える上で非常に参考になる本です。投資の原則である『長期・積立・分散』の妥当性にも丁寧に触れられていて非常にわかりやすくまとめられています。

もちろん、若いうちから資産運用を考えて行くことはこれからの日本を生きる上で欠かせないものとなっていきますが、最後では『自己投資』の必要性も触れられていて、そこも非常に好感の持てる内容でした。

読み手を選ばずに、『資産運用』ひいては自分の『人生設計』を考えさせる一冊です。GW中にぜひぜひおすすめの一冊となっております。

ではでは―

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