『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』

こんにちは、シンです。

今日は佐宗邦威さんの『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』をご紹介します。

先日、こちらに『直感と論理をつなぐ思考法』をご紹介させていただきました。

こちらの本は同じ著者によるデザイン思考を解説した本となります。この本を読んでから、『直感と論理をつなぐ思考法』を読むともっとよく内容を理解できます。

つまり、

『直感と論理をつなぐ思考法』の副読本

としても読める。非常にコンパクトでまとまった内容ですので、おすすめです。

下記に印象的な部分を述べていきますが、そこに入る前に注意点を2つほど述べます。

● 2015年初版発行となること
●『ビジョン思考』ではなく『デザイン思考』の本

本作は著者の第1作となります。『デザイン思考』のノウハウがまとめられており、『直感と論理をつなぐ思考法』に至るまでの前日譚といった趣があります。

それでは内容に入っていきます。まず印象的だったのは著者の留学に至るまでの過程が描かれていることです。

特に『マーケターがなぜデザインスクールに行ったのか?』の項は、著者の内的な動機付けの部分が描かれていて非常に興味深いです。

本書の182ページのコラムでも触れている『発想法 創造性開発のために』(川喜田二郎著)から引用します。

自分の頭の中に、体験的に積まれている狭い情報の範囲内で、勘を働かせてその情報を統合的に処理する。その能力においては、日本人は世界でも稀な才能の持ち主だろう。しかし、その範囲を越えた複雑な情報処理に直面すると、面倒くさくてやろうとしない。その正道を踏まずして、なすべき情報処理に金を出し渋って、物事がやれると思っている。

著者と川喜田さんの問題意識は根は共通かと思います。特に変化の速い現代では『創造力』を生かした発想は非常にインパクトを持つスキルです。

日本人が苦手と言われる『創造力』ですが、この問題意識は今となっては、ますます重要になってきているのではないでしょうか。

次に『創造モードへのスイッチ』の章が印象的です。『創造力』をフルに発揮するための環境作りが簡潔にまとめられています。

ポストイットの大きさを変えて用意するや様々なペンを使うなど五感を使った情報整理の仕組みはデザイン思考を全く知らない方でもすぐにトライできるもので参考になります。

前述の問題意識と重なるのですが、これからビジネスで成果をあげるには『創造力』という観点は避けて通れない視点です。テクノロジーもどんどん進化していくため、従来の手法、考え方は加速度的に古くなっていくだろうことは明白だからです。

その点でも『デザインというビジネスキャリア』の章で触れているお話はきわめて示唆に富むものです。

ゴールや成果が数値化され、それを達成することが大事という「前年比」の世界観で生きているビジネスマンにとっては最も戸惑う部分かもしれません。
デザイナーと一緒に働いていると、「カオスの状態を恐れるな」と言われます。それは事前にアウトプットやプロセスをガチガチに決めすぎてしまうと、チームを枠にはめてしまい、結果的に事前に想像していたものに「落とし込む」形になってしまい、イノベーションの芽を摘み取ってしまいがちになるということです。

『直感と論理をつなぐ思考法』で興味をもった人は本書も合わせ読むことでさらに理解が深まること必須です。GW中にフレッシュな考えを取り入れたい方におすすめです。

ではではー

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